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090425-26 東京

土・日は東京にいた。東大の駒場で所用、そしてモダンアーキテクチャー巡りと展覧会。

駒場はかなり久しぶり。行く前からナーバスになっている自分がわかる。そしてその理由も。現役で入ったものの理数系科目についていけず、「進学振り分け」という東大特有の制度の前で建築学科へ進学できるかどうか不安になり、自主留年して点数を上げた。そういう不安定な状態での2年半のことがどこを歩いていても思い出され息が詰まりそうになる。
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かつての駒場寮は壊され、代わりに駒場コミュニケーションプラザという学生用の施設が建っている。基本設計は僕が大学院時代にいた図学教室の加藤道夫先生たち。僕の指導教員である広部達也先生の後継者だ。当時は博士課程の学生だった。駒場のマスタープランは代々この教室で作ってきた。東大で初めてBCS賞をとったのだそうだ。銀杏並木からの軸線上に綺麗な広場がとられ、その回りを生協の本屋や食堂、それに香山寿夫先生設計の図書館などが囲んでいる。この日は雨だったが、昔とは違う明るい空間の雰囲気と自分の中の駒場の思い出とのギャップに頭がくらくらした。
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駒場博物館。今は「矢内原忠雄と教養学部」展をやっている。横山正先生がまとめたデュシャンの大ガラスのレプリカもある。しかし僕がいた当時はここが教務課。つまり成績表をもらう場所だった。「進振り」に臨む自分の「持ち点」に一喜一憂した嫌な思い出しかない。
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ホテルから見える東京。遠景のない浮遊感が懐かしくもあり苦手でもあり。
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吉阪隆正のアテネフランセ。学生の頃、僕はなぜかここでフランス語ではなく英会話を習った。青木君はここでちゃんとフランス語をやっていた。
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改修なった文化学院。改修設計は、もとの建物の設計者・西村伊作の孫にあたる坂倉竹之助(坂倉建築研究所会長)だ。
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日仏学院。元の設計は坂倉準三。改修はみかんぐみ。昔、改修工事完了時にタルディッツさんに見せてもらったが、再訪。
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法政大学55年館。設計は大江宏。警備員がいっぱいいて外観のみこわごわ撮影。学生の姿はほとんどない。いま全国の大学は、国公立なら土日とも、私立でも日曜日は閉じているのだ。いいのか、そんなことで。
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原美術館。渡辺仁の設計で1938年に竣工した原邸を磯崎さんが改修した。もちろん何回か来ているが、今回はジム・ランビーの「床ストライプ」。とくにくらくらとかしなかったなあ(笑)。奈良美智の「My Drawing Room」がここにあるのを知らずに行き、ドアの向こうに発見して感激した。
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by yoshiaki-hanada | 2009-04-27 19:18 | ●花田の日記

090424 花田研関西OB会、そして「ドラゴン桜のような授業がしたい」

●先週はふたつの楽しい会合があった。
★18日(土)は聴竹居を会場にして、東京勤務を終え大阪本社に戻って来た某新聞人の歓迎会。楽しかった。

★19日(日)は、花田研OBで関西にいる諸君が三宮に集まり、初めての同窓会。楽しかった。当たり前のことだが、みんなそれぞれも道をそれぞれに歩んでいる。15時に貸し切りの小さなカフェに集まって夕方までわいわいと食事。そのあと賑やかなバーに移動してさらにがやがや。喋りっぱなしの数時間。林雅子展のときの「海のギャラリー」の模型づくりの隊長をつとめてくれた東端秀典君のブログを、ご本人の了解を得られたのでリンクします。そこに当日の様子を書いてくれています
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●坂倉展用の「仁木邸」の模型の状況は、ここや、ここに写真があります。「神の手」をもった学生諸君を信頼し、期待するのみ。締め切りが迫ってきました。

●23日(木)のゼミでは、今年の卒業設計日本一決定戦の様子を、それに出展したM君(M1/ベストテン入り!)と見学に行ったY君(4年)に報告してもらった。講評の様子の動画もあり面白かった。他ゼミの4年生や3年生も参加。僕自身にとっても、M君の作品「小さく世界を拡大表示してみる」の位置づけを改めて考える機会になった。
僕はこの作品について、学内での講評会では、「これは単に作者の個人的な内面を空間化したものではなく、円環的な空間構造を、ひとつの普遍的な空間モデルとして提示していると解釈できるところが評価できる」というような話をしたのだったが、もうひとつ迫力が足りないと感じる部分があってそれを上手く言葉にできなかったのだ。しかし今日、それが、「小さく世界を拡大表示してみる」というタイトルのポイント、つまり「小さく世界を拡大表示する」という自己矛盾を抱えた言葉による表現が、結局のところ「スケールの逆転」というきわめて具体的で既視感のある(「不思議の国のアリス」のような)方法によってしか空間化されてないと感じられる点だろうなということに気がついた。そこに、残念ながら物足りなさを感じたのだ、きっと。

●新学期が本格的に動き出して3週間。
学科主任を交代したせいだろうなあ、明らかに時間の流れ方がゆっくりしていると思う。これが本来だったんだ(笑)。
お陰で、というとこの3年間の学生さんには叱られるなあ。でも講義やゼミ生との付き合い方に余裕ができたような気がしてならない。

講義は思い切って親切なプリントの配布を止めて板書中心にし、映像は題材にするものに限定、しかも授業中にできるだけ多くの学生に当てて対話をしながら進めるようにしてみた。まだ1回やっただけだが、これが結構楽しかった(学生はどうか知らないが・・)。これまでは読めばわかるようなプリントを配っていたが、そういうものだと残念ながら結局のところ読んでもらえない。むしろノートに書くという原始的なやり方の方が効果的なのではないかなと思い直した次第。また、学生を「当てる」というのはこれまでもしなくはなかったが、せっかちな僕は答えを待つのが面倒くさく、結局一方的に喋る結果になっていた。そのあたりすべてを大いに反省し、いわば高校のようなやり方に戻してみた。
というのも、『ドラゴン桜』という漫画にはまっているからです。知ってはいたけど読んだことはなかったのですが、最近家族が1冊ずつ順番に図書館から借りて来るので(変な家ですね)読んでいるわけです(今、「夏休み」のあたり)。
するとこれが実に面白い。登場する教師の「名言」が、「勉強」のツボをとてもうまく言い当てている。何よりそれを伝えるための授業がたいへんに工夫されている。そして単純な僕は、「ああ、こんな授業をしなくちゃいけないんだ」と思ったというわけです。『ドラゴン桜』のような建築(論)の教科書を書きたいぞ。
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by yoshiaki-hanada | 2009-04-24 23:20 | ●花田の日記

090415 4月も半ば

楽しい週末だった。

●11日(土)は、僕の研究室で修士をとり、現在青木事務所に勤める村山君の結婚披露パーティー。会場は、旧居留地の古い銀行のビルを改装したおしゃれなレストラン・E.H BANKだ。
芸工大の卒業生の結婚の式に出るのは2回目ではないかな。意外と少ない。呼んでもらえないのか、それとも結婚するやつが少ないのか(笑)。最初はAEに参加している今津君だった。今回も何か喋れと村山君がいうので、今津君のときと同様、昨日一日かけて書いた原稿をもとに、渾身のスピーチをする(笑)。
残念ながら青木君は所用で来れなかったが、青木事務所のスタッフ(約10名)は、はるばる東京からなんと全員が参加。もちろん世代交代しているから僕も知らない若者たちが大部分。秘書のMさんに引率された修学旅行の一団という風情がいかにも青木事務所である。どの人も眩しいくらいの若さと個性で、羨ましいのひと言だった。
当然、芸工大の卒業生もやってくる。花田研の、OKMRくん、SNGUくん、NKYAくん、KNMEちゃん。小玉研出身のKWCHさん。
二次会は、芸工大にもよく遊びに来てくれる島田陽さんの設計したカフェ・SALLOW
そこへ向かう途中、「老祥記の豚まんが食べたい」というリクエストが青木事務所ご一行様から出て、芸工大メンバーで元町の中華街へお連れする。行列に並び、皆で中華街の広場で豚まんをはふはふと食べる。ほんとに修学旅行生だ。
二次会は、ただただ雑談。それが楽しい。気がつくと23時。僕も最後まで付き合った、いや付き合ってもらった。
村山君たちには、あせらずゆっくりと設計の道を歩んでいってほしい。

●翌12日(日)は、島田陽さんの設計した「北野町の住宅2」を村山君たちと一緒に見学。様子は島田さんのブログに紹介してありました。2日間とも暑いくらいのいいお天気で、久しぶり外の空気を吸った感じ。

●14日(火)は担当する講義「建築空間のデザイン」の1回目。今年こそ文字化を実現したい。2年生向けの講義だが、彼らは設計の本格的な実習もスタート。今年は他の学校からの編入生も多く、スタジオで雑談していると実に楽しい。

先日発送した博士論文についての感想が届き始めた。ありがたい。葉書かメール。メールだとついさらに返事を書いてしまう。

そのことを考えているだけで幸福な気持ちになる建築や論文。目標はそれだけだ。


ゼミの4年生・吉村雄史君から、ブログを始めるのでリンクしてほしいとのリクエスト。まだ記事は少ないけどこの1年でどんなことが書かれていくのだろう。楽しみだ。ブログをペースメーカーにしてほしい。
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by yoshiaki-hanada | 2009-04-16 00:48 | ●花田の日記

090409 学生

最初のゼミ。ゼミ室の使い方、ゼミ日記ブログ、前期のスケジュール、卒論とは何か等々の話をする。「山上たつひこ」の名前を誰も知らない・・。今年のゼミ生は、どんな成長を見せてくれるだろう。毎年のことだが、この1年で伸びる子は本当に伸びる。みんな悔いのないように頑張るんだよ。

坂倉展用の仁木邸の模型は、春休みを挟んだ人手不足の影響をひきずり苦戦中。模型づくりは4回目とはいえ、学生さんとの仕事は難しい。指示をしすぎてもいけないし、しなさすぎてもいけない。学生諸君には、こういう機会を通して、ものごとを完成させるための自主的でしかも効果的な動きかたを身につけてほしいと思っている。必要なのは、軽快なフットワークと強引な牽引力。頑張るんだよ。

僕の方は、カタログ用に仁木邸についての解説文を書かなくてはいけない。
それと、某誌のための「正面のない家」論。頑張るんだよ。
あと、宿題は学科で作っている設計の教科書の原稿。

博士論文を増刷し、今日、あちこちに発送した。

この春卒業して東京で就職したW嬢から挨拶状。身体に気をつけて御活躍を!

あ、今週末は卒業生MRYM君の結婚のお祝いの会だ。スピーチ、どうしよう。
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by yoshiaki-hanada | 2009-04-10 01:44 | ●花田の日記

090408 新学期

あっという間に春休みは終わり、4月2日の学科会議から新学期。3年やった学科主任をこの4月から交代したので、予想以上の開放感に包まれたスタートではある。翌3日からは各学年へのオリエンテーション、入学式と続き、本日8日から綬業も始まった。

4年のゼミ生も新しいメンバーになり、ゼミ室を使い始めている。大学院には「仙台」で健闘したM君が残った。明日が最初のゼミである。

最近買った本からいくつか。
小谷野敦『東大駒場学派物語』(新書館):著者のブログで読んではいたが、「人脈」や「経歴」へのこのこだわりだけで一冊になるんだなあ。すごい。
井原万見子『すごい本屋!』(朝日新聞出版):和歌山県日高川町という小さな町の小さな本屋の大活躍ぶりを書いた本。
山上たつひこ『中春こまわり君』(小学館):あのこまわり君が38歳のサラリーマンになり、妻と子を養っている!歳老いた栃の嵐は涙なしには見られない。全体として表現も内容も丸くなったが山上ワールドは健在。人間の業の深さを描いている。やっぱり天才だあ、このひとは。
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by yoshiaki-hanada | 2009-04-09 02:03 | ●花田の日記

090328-29 先生

28・29日と東京へ。

28日は、今年度で東大の鈴木博之先生が定年退官されるので、鈴木研で修士論文や博士論文を書いた人たちが集まっての会があった。僕はいわゆる研究室に在籍したということではないが、論文博士の人達にも声をかけていただき、参加した。
「歴史研は知り合い少ないよなあ」と心配しながら行ったのだが、いろいろと懐かしい人、昔お世話になった方にたくさん会えて嬉しかった。
鈴木先生は最後に挨拶を英語でされたが、「皆さんは私のstudentsではなく、colleaguesである」ということを何度も仰っていたのがとても印象的だった。
鈴木先生は僕が学生の頃は若き専任講師になられたばかり。卒論生も、僕らの学年くらいが最初だったようだ。先生による西洋建築史の授業はきちんと出席したように思う。近代のところで、「ミースのデザインした椅子は今や世界の大企業の役員室に置かれており、そのことは、近代建築の二面性を象徴している」というような説明があり、たいへん納得したことを覚えている。
それにしても、これは30年前の話だ。早いなあ。鈴木先生の退官によって、僕らが教わった現役の先生は東大からいなくなった。

29日は大学院のときの指導教官であった広部達也先生のお宅にうかがい、博士論文の報告をした。いくつになっても先生とは怖いものであるが、やっと少し落ち着いて話ができたような気がした。しかし、論文のねらいをひと言で言い当てられたりすると、やはり気分が引き締まる。僕はこの先生に「理論」を教わったんだとあらためて、そしてつくづく思った。
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by yoshiaki-hanada | 2009-04-09 01:13 | ●花田の日記