090111 今日も寒い神戸

正月休みに、高校生の息子から教えてもらい、幻冬社から文庫化されていたジョージ秋山・『銭ゲバ 上』『銭ゲバ 下』を読んだ。テレビドラマ化されるらしいので、それに合わせて本屋に平積みされたらしい。
もちろん「銭ゲバ」という漫画のタイトルは知っていたが、読んだのは初めてで、こんな強烈な内容だとは思わなかった。貧乏、DV、殺人、犯罪、成り上がり、金儲け、そんなことだけで人生とその破滅を組み立てた男の物語だ。これほど悲しい漫画もない。ぜひご一読を。
この漫画は、1970年に週刊少年サンデーで連載された。高度成長への、強烈でしかも非常に早い時期の批判ともいえる。内容はすごいが、絵自体の刺激度は(少なくとも今の目で見れば)たいしたことがない。絵の強烈なリアリティで勝負していないからだ。これをテレビドラマ化して果たしてうまくいくのだろうかと心配だが、テレビは来週からだ。
ところで、ジョージ 秋山といえば「浮浪雲」だが、小沢一郎とのコラボーレーション企画で「選・小沢一郎 あちきの浮浪(はぐれ)雲 傑作十選」という本が出ているのに気がついた。麻生太郎のアキバや「ゴルゴ13」への対抗企画だろうが、非常に面白いアイディアだと感心した。買いに行こうっと。


・・・・というわけで、さっそく三宮のジュンクで買ってきました。
いやあ、好企画。選ばれた10作品はなかなかの組み合わせで、名作「浮浪雲」だからどれを選んでも大丈夫なんだろうが、自由、貧困、教育、いじめ、父子関係等々、現代社会に通じる問題をテーマとした作品が実に上手く選んである。小沢一郎のインタビューや各作品に付けられた彼のコメントも悪くない。民主党はこういう路線での広報もおこなうとよいのではないだろうか。

これ以外に、鶴見俊輔『悼詞』(編集グループSURE)内田信平『建材・設備はどこで何から作られているのか』(エクスナレッジ)など。
『悼詞』は、鶴見がこれまでに書いてきた文章の中から、125人の人々への追悼文を集めたものだ。昨年秋に刊行されたのは知っていたが、「編集グループSURE」への申し込みをさぼっていたら、今日、ジュンク堂にあった。これまではなかったから、一般書店にもまわすようになったのだろう。追悼文ゆえに、単なる論評ではなく、必ず個人的なエピソードが披露されており、たいへんに面白そうだ。

岩波新書が創刊70周年ということで、アンコール復刊などの企画がおこなわれているが、『図書』臨時増刊号「私のすすめる岩波新書」というのが作られ、書店で配布されている。学生諸君、ぜひこれを手に入れて、岩波新書との出会いのきっかけとして下さい。なお、岩波のホームページに、そこで推薦されたもののリストがある。僕自身もそうだが、高校生から大学生にかけての時期に出会う岩波新書のうちの何冊かは、一生の支えとなる。
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                『図書』臨時増刊号「私のすすめる岩波新書」
                 表紙は宮崎駿の絵です。
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by yoshiaki-hanada | 2009-01-11 13:41 | ●花田の日記
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