今年の冬休みは生産的な活動はさっぱり。
元旦から4日までは実家(高知市)に帰りだらだらと過ごした。 そこにある老人の二人暮らしはいずれ自分も必ず遭遇するしんどい難題だ。 暇つぶしに自転車に乗って懐かしい道を街まで走ってみるが、僕が中・高校生の頃の方が賑やかだったような気がしてならない。 昭和の香りたっぷりなトタン板張りの古ぼけた木造アパートや木造住宅が、しらけた風景の中に埋没している。30数年前にはみんな新築で、そのあいだを僕は自転車に乗って学校へ通っていた。 金高堂という、僕も昔頻繁に通い、おそらく今は高知で一番大きな本屋へ行くのがわが家の息子たちの帰省時の楽しみのひとつ。しかも、高知新聞の連載マンガ「きんこん土佐日記」の単行本が出ていないかというのが重要なチェックポイントで、今回はその『きんこん土佐日記』第4巻が発売中。さっそく購入した。金高堂ランキングでも今週の1位だ。 村岡マサヒロという高知在住の人が描く土佐弁によるのどかな4コマ漫画だが、地元のひまわり乳業が牛乳パックに印刷したりして、いい感じの盛り上がりようなのである。 5日は、注文していた見田宗介の『まなざしの地獄』(河出書房新社)が届く。永山則夫を通して読み解いた現代社会論だ。僕はこの論文を教養課程の学生の頃参加していた勉強会で読んだ。見田の別の著書に収録されていたが、それを単行本化したもの。さらにこれも見田の昔の論文だが、「新しい望郷の歌」が併録され、大澤真幸のやや長めの解説がついている。学生諸君、ぜひ読んでみてほしい。 それと、見田(真木悠介のペンネームによる)の『人間解放の理論のために』もどこかの図書館で探してぜひ。言葉によって新しい世界が構成できるということを実感できるだろう。この本こそぜひ再刊してほしい。僕は言葉というものの力と美しさをこの本から学んだ。 そういえば年末の朝日新聞にも「まなざしの地獄」から秋葉原の事件までを結んだ見田の論考が載っていたなあ。 6日は博士論文のハードカバー版を三宮のキンコーズで受け取り東大へ送る。これですべて完了。 今日7日は大学へ。 いろんなことは明日8日から始まるのだが、事前準備。 まだ静かな大学だが、4年生の卒業制作チームは学科内のあちこちで作業中。 冬休みの小宿題、終わらず。 雑誌『国際建築』について卒業生に質問があり連絡をとる。
by yoshiaki-hanada
| 2009-01-08 02:18
| ●花田の日記
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