聴竹居に行ってきた。
ある勉強会から日土小学校と松村正恒について話してほしいという依頼があり、その会場が聴竹居になったのである。 僕のゼミ生3名、他のゼミの学生さん2名も参加。 紅葉の盛りであり、11時にJRの山崎駅に集合して、まずはすぐ隣りのアサヒビール大山崎山荘美術館へ。実業家・加賀正太郎によるチューダー様式をもとにした別荘と安藤忠雄の増築部分を見学。 お昼を食べて、14時に聴竹居に移動し、見学後にレクチャー。 真ん中の居間的な場所の壁に映像を映し、三畳間と板の間に車座になって聞いてもらった。 暗くなるまでこの空間を体験できたことはきわめて貴重な体験であった。 聴竹居の平面は何とも不思議だなあと思っていたが、今日あらためてその不思議さの原因を実感した。それは、真ん中の居間はドーナツのように完全に他の部屋に囲まれているということである。 庭側から時計回りにいえば、例のガラス張りの縁側→読書室→三畳間→調理室→食事室→玄関→客室(→縁側)という具合に、居間は別の部屋に包囲されている。 しかも、これらの居間を包む部屋どうしをつなぐ廊下はなく、結局、必ず居間を通って他の部屋へ移動する。 しかも、読書室と食事室は居間に食い込んでいるので、居間の平面形状は矩形ではなく、何となく不安定な形状となっている。 だから、民家の囲炉裏の間のようなどっしりとした感じもなく、かといって近代的な住宅のリビングルームでもない。 このようないろんな意味での「居心地の悪さ」がこの建築の大きな特徴だと、薄暗いL型に折れるその空間をうろうろしながらつくづく思った。 なお、現在聴竹居は、こんなかたちで管理・運営されており、見学や勉強会等で使わせていただくことが可能です。
by yoshiaki-hanada
| 2008-12-01 00:24
| ●花田の日記
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