080423(水) 雑談の意義

午後、4年生の演習授業のエスキスをゼミ室でやる。
僕らの学科では、デザイン実習(いわゆる設計課題の出る実習ですね)は3年生までが必修で、4年生にはない。卒業論文と卒業制作が必修なので、それに打ち込んでもらおうという訳だ。
そのかわり、各教員が自分の専門分野に関する「演習」を希望学生に対しておこなうようになっていて、僕は「建築デザイン演習」の担当のひとり。今年は短期の設計課題を出した。
課題は、「建築の設計は模倣から始まるという考え方がある。その前提に立ち住宅を設計せよ」というもの。ひとりの建築家をとりあげ、そのデザイン手法を分析した上でそれを「模倣」し、その先に何か新しい提案を見出してほしい、というもの。
学生には話してあるが、実はこの課題、僕が学部3年生のときに非常勤で来た篠原一男の出した「住宅」の課題である(細かな文言は違う)。それにはおまけがあって、即日設計で「建築の設計はオリジナリティから始まるという考え方がある。その前提に立ち住宅を設計せよ」という問題をやらされた。そして、僕らの上の学年には逆の組み合わせで本課題と即日設計をやらせていた篠原は、「これでゲームは終わりです」と言って、2年間で東大の非常勤を辞めた。もちろん、その格好良さに僕(ら)はうっとりとしたわけである。
建築の設計根拠について考えるトレーニングとしてはとてもいい課題だと思い、学生たちに出題した。
今日は、数名の学生に、それぞれが選んできた建築家についての分析とそこから何をどう模倣することができるかというような話をしてもらい、あれやこれや、屁理屈をこねまわした。自分でもいろんな発見があり、実に面白かった。
引用vs.模倣論、青木淳論、篠原一男論、藤本壮介論、この課題の意味、等々。
話しているうちに「この課題は、自分がある建築家の事務所から独立したとして、その建築家の影を自分の中にどう位置づけ、そしてそこからどう脱出していくかということのシミュレーションだと思うといい」と自分で言って自分で納得した。そうかそういう課題だったんだ。雑談は自分の頭を整理するのにとても重要。
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by yoshiaki-hanada | 2008-04-23 23:59 | ●花田の日記
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